臥龍点睛‐がりょうてんせい‐
スクールカウンセラーだより 3号通信 (正しくは画龍)
スクールカウンセラーだよりは保護者向けに書かれています。「学校の問題はなぜ増えたか」という僕なりの答えを少しずつお話しています。ただこの文章は私見であり、ひとつの考え方にすぎません。子どもたちのことを考えるきっかけになってくれれば幸いです。
46億年
地球が誕生してから46億年になるそうです。その46億年を1年にみたてると、1月1日地球の誕生。生命の誕生は意外と早く、3月29日。しかし、魚類の誕生は、ずっと後の11月。12月7日に爬虫類が、12月15日に哺乳類が誕生しています。鳥類は哺乳類よりも遅く12月19日。恐竜は、12月16日に出現し26日に滅びています。恐竜はごく最近までいたのが、よく分かります。しかし、わずか11日の命。人類は11日生きられるのだろうか?
人類の誕生は12月31日午後4時23分。年賀状書きも餅つきも大掃除も終わって、大晦日の夕食のしたく前といったところでしょうか?しかし、これはアウストラロピテクスといってまだサルとのあいのこみたいなものです。北京原人の誕生は、紅白も盛り上がる午後10時40分。新人と呼ばれるクロマニヨン人の誕生は、除夜の鐘が厳かに響く午後11時54分18秒。まだ地球に誕生して5分程度です。
それではキリストの誕生は、12月31日午後11時59分47秒。2000年前と言えば、はるか昔のようですが、ほんの13秒程度です。このわずか13秒の間に、地球はどれだけ変わってしまったのでしょうか?私たちの暮らしはどのくらい変わってしまったのでしょうか。
この変化のはやさ、発展のはやさを、「恐い」と思ってしまうのは僕だけでしょうか。
クロマニヨン人の誕生からわずか5分で地球上を支配してしまったのは、人類が
「天才的な適応力」
という才能をもっていたからでしょう。この類まれなる適応力で、この2000年の荒波を何とか乗り越えてきた。
子どもたちのいろいろな問題を不適応と呼ぶことがあります。子どもたちが不適応を起こしているのは学校や家庭ではなく、もしかしたら爆発的なスピードで環境が変化していくことなのかもしれません。
次回のカウンセラーだよりで、もう少し具体的にお話しようと思います。
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